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BC新民主党、世論調査でリードも安泰ではない [バンクーバーとBC]

 ブリティッシュコロンビア州議会総選挙が、5月9日に行われる。メインストリート社が4月22日に実施した最近の政党支持率調査は、新民主党44%、自由党34%、緑の党22%となり、新民主党による政権奪回の可能性が高いことが示されている。各種世論調査で与党自由党と最大野党新民主党は、2016年9月までは抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げていたが、新民主党はその後首位に立つと、8か月以上一度も抜かれていない。新民主党の支持率は、9月以降36%を下回っていない。
 だが待ってほしい。前回2013年総選挙では、投票日前日に実施された支持率調査で、与党自由党37%に対し新民主党45%という結果が出て、メディア各社は政権交代を予言したにもかかわらず、実際の得票率は自由党44.1%(49議席)・新民主党39.7%(34議席)に終わり、劇的な大逆転となったことは記憶に新しい。
 ブリティッシュコロンビア州は過去65年間、中道右派連合が一環して支配してきた。革新勢力が支配したのは13年間で、中道右派の連合が壊れた場合にのみ勝利できたにすぎない。そして今回は、中道右派連合に深刻な分裂が見られない。

 イノベーションリサーチ社は2月終わりから3月初めにかけて、ブリティッシュコロンビア州の400人以上の有権者を対象に対面調査を実施した。すると回答者の62%が「政権交代の時期だ」、69%が「BC自由党は人々の意見を聞くことなく行動している」という意見に同意した。また66%が「BC自由党のトップは、政府を自分たちの会員制クラブのように扱っている」、ほぼ同数の人が「BC自由党政権は、平均的市民のニーズを汲み上げることをしていない」という意見に同意した。
 だが同社のグレッグ・ライル社長は、有権者が明らかに自由党政権に不満を持っているにもかかわらず、それは深刻ではないと指摘する。
「与党には大いに怒っているので、もう彼らに投票しない」と回答したのは、34%だった。ライル社長は「これはかなり低い数字だ」と語る。
「人々は政府に不満を抱いているかもしれないが、それについて何か行動するだけのモチベーションがどれだけあるのか。それが、鍵となる問題だ。我々の世論調査は、怒りのレベルがさほど深刻ではないことを示したので、自由党はこれに励まされなければならない。」
 また彼は、同じ質問への答えはケベックでは46%、オンタリオでは43%、アルバータでは42%と、他州と比較しても少ないことに注目した。
「『政治がもっとましになればなあ』と、『よりよい政権を望む』には、大きな違いがある。」
 ライル社長は1996年総選挙のとき、BC自由党の選挙参謀を務めた。与党新民主党は汚職で支持率を下げており、自由党は意気盛んだったが、蓋を開けてみれば、自由党は得票率41.8%で新民主党の39.5%を上回ったものの、議席では自由党33に対し新民主党39と及ばなかった。それで彼は、今年は新民主党はより多くの票を獲得するが、自由党はより多くの議席を獲得するという、96年とは正反対の結果になりそうだと予測する。
「96年以降変わったことといえば、自由党は地方の地盤をより強固にし、新民主党は都市部で強くなったことだ。重要なことは、地方の方が1票の価値が大きいので、新民主党はより多くの票を獲っても選挙で負けることがありえる。」
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高橋幸二

4月28日のジャステイソン・マーケット・インテリジェンス社による調査では自由党38%・新民主党37%、4月30日のイプソス・リード社による調査では自由党43%・新民主党41%と逆転したが、5月1日のメインストリート・リサーチ社による調査では自由党37%・新民主党42%、5月2日のアンガス・リード社による調査では自由党40%・新民主党41%と再び逆転し、激しいデッドヒートを繰り広げている。
by 高橋幸二 (2017-05-06 20:26) 

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