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ケベック州首相「人種差別という悪魔と共存」 [犯罪・事件]

 1月29日に起きたケベック市モスク銃乱射事件を受けて、ケベック州のフィリップ・クイヤール首相は31日、州内に人種差別という「悪魔」が存在することを認めるとともに、それと共存することを訴えた。
「言葉は重要だ。言葉は人を傷つける。言葉は人の心を切りつけるナイフにもなる。」
 彼は政治家と市民に「言葉を書くとき、口にするとき、よくよく考慮しよう」と訴えた。
 ケベックではほかの地域より差別が潜在的かと問われると、彼はこう答えた。
「それは、コミュニティにより異なる。」
「外国人嫌い、人種差別と排除は、ここに存在する。我々はそれを認め、そして共存しなければならない。いかなる社会も、その悪魔と同居しなければならない。」
「我々の社会は、完全ではない。完全な社会などない。」

 同日ケベック党のジャン=フランソワ・リゼ党首は、党首選のとき「ブルカの下にAK-47を隠すことができる」という理由でブルカ禁止を主張したのは「行き過ぎだった」と認めた。
「私はそれを、今もテロが頻発するアフリカの例として言った。言葉の選択がよくなかった。ケベックに関する議論に用いるのは、適切ではなかった。」
 ケベック党は2013年、物議を醸した「ケベック価値憲章」を提出した。その骨子は、公務員が公共の場で宗教的シンボルを表示することを禁止するものだったが、これが法制化されたら公共の場でのブルカ着用はできなくなることから、ムスリムの公務員は大半が辞職することになっただろう。その後任にケベック人の失業者を充てるという、事実上のムスリム排除政策だとして強い批判を呼んだが、翌年の総選挙に敗れ廃案となった。
 その後政権を担ったクイヤール首相は、ヘイトクライムの沈静化を見て2015年、ヘイトスピーチ禁止法の制定に動いたが、「言論の自由を制限することになる」というケベック党の反対を受けて、断念している。
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