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トルドー政権、上院改革案を発表 [自由党]

 メリヤム・モンセフ民主機構大臣は12月2日、新政権の上院改革案を発表した。それによると、超党派による諮問委員会が「コミュニティに対する奉仕記録や専門知識に基づき」候補を推挙し、それに基づき連邦首相が議員を指名することにより、党派を超えた独立した上院に生まれ変わるのだという。
 委員会は5人のメンバーから構成され、その内訳は連邦から常任委員3名と、欠員が生じた州または準州から非常任委員2名を、今年中に選任するのだという。
 トルドー党首は2014年1月、自由党幹部会から全ての上院議員を除名し、無所属議員としていた。そのため現在の上院勢力は保守党45、無所属自由党29、進歩保守党1、無所属8、欠員22(定数105議席)となっている。モンセフ民主機構大臣は、トルドー首相が来年初めに5名の欠員を満たせるよう、5人の委員を早急に選出し、あとの17名については2016年までに補充するという。

 同じ日、保守党のジャック・ドメール上院議員は、党幹部会を離脱し無所属議員となることを発表した。2年前に同僚上院議員たちの不正経費問題が発覚したとき、彼はどこに行ってもそのことでからかわれ、非常に不名誉な思いをしたが、自分を指名したハーパー首相への義理があり、彼が党首のうちは辞職できなかったと説明するとともに、「ケベック州のための無所属議員として上院議員にとどまる」と発表した。
 これは、11月18日に党幹部会を離脱し無所属議員となったジョン・ウォーレス上院議員に続くものである。彼は、上院における独立した無党派性について、自分と党との間に「和解不能な違い」が生じたと語った。

 上院議員は首相に指名され、選挙による改選がなく、75歳の定年まで務める。そのため下院を通過した法案を否決することは稀であり、ここ70年ではわずか8回行われたにすぎない。上院はその歴史の初めから改革が叫ばれており、ある者は選挙による選出を、ある者は州による推挙を、またある者は廃止を主張してきたが、州間で合意に至ったためしがなかった。ハーパー前首相は上院廃止を目指したが、最高裁は抜本的改革には憲法改正が必要だと判断した。だがトルドー首相のプランなら、憲法改正の必要はなく、州の同意も要らない。

 モンセフ民主機構大臣の発表からわずか数時間後、ブリティッシュコロンビア州のクリスティ・クラーク首相は改革案を支持しないと発表した。
「本日の改革案は、上院は初めから間違っていたということに言及していない。」
 ブリティッシュコロンビア州は、人口比に基づく議席の再配分を主張してきた。上院の議席配分は連邦結成時の人口比に基づいており、東部に多く西部に少なく、人口当たりの議席数の格差は最大17倍にも達している。しかし定数是正には憲法改正が必要であり、しかも東部の同意を得られる見込みがない。また、憲法では上院議員は州を代表すると定義されているが、改革案では議員の指名は依然として連邦首相が行い、州主体とはならない。クラーク首相は、上院は改革するか、廃止するしかないと語った。
 いっぽう保守党の民主改革担当スコット・リード下院議員は、5人の委員が全て連邦首相によって任命されることや、ほとんどの上院議員が州外に暮らす委員によって選出されることや、候補推挙のプロセスが公開されないことを指摘し、トルドー政権による改革案を疑問視した。
「これは、透明性のあるオープンなプロセスにはほど遠い。」
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