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ケベック連合党首にデュセップ氏復帰か [ケベック]

 カナディアン・プレスは6月9日、ケベック連合のマリオ・ボリュー党首が党代表に退き、ジル・デュセップ元党首が党首に復帰すると報じた。
 ケベック連合はモントリオールの党本部で10日、両者が出席する記者会見を行うと発表している。9日はジャック・パリゾー元州首相の葬儀があるため、両者は故人に敬意を表しこの日はコメントしないとケベック連合の文書に書かれていた。葬儀に現れたデュセップ元党首は、喝采で迎えられた。ボリュー党首は記者に「今は、パリゾー氏を追悼していたい。それについては明日話す」と答えた。
 2011年の連邦議会総選挙で大敗したデュセップ党首(当時)は、ケベック党党首選に出馬するのではないかと噂されたが、5月に実施された党首選には出馬しなかった。
 ボリュー党首はフェイスブックで8日、デュセップ氏に選挙で協力するよう依頼し、快諾されたと綴った。そこにはデュセップ氏の役割は、未定と書かれていた。
 ラジオ・カナダのダニエル・チボー氏は、総選挙が近づき、ボリュー党首が世論調査に反応したと主張する。世論調査は、ケベック連合の支持率がボリュー党首なら17%で、デュセップ党首なら29%になることを示した。2011年総選挙では、得票率23.4%で4議席に終わった。
 ルイ・プラモンドン議員は9日、まだ何点か交渉の余地が残っていて、全ては明日決まると回答した。
「私の選挙区はボリュー党首でも見込みはあるが、デュセップ党首ならより有望だ。彼は連邦レベルで最も知名度が高く、最も経験豊富な人物だ。」
 彼は、前回総選挙での大敗は、有権者がケベック連合を拒絶したのではなく、癌と戦うレイトン党首への同情を新民主党が集めたに過ぎないと分析した。

 総選挙の時点でわずか4議席だったケベック連合は、ボリュー党首就任以来内紛が続き、離党が相次ぎ現在は2議席しかない。クロード・パトリ議員は引退を表明しているので、再選を目指しているのはプラモンドン議員ただ一人である。
 ジャン=フランソワ・フォルタン議員とアンドレ・ベラバンス議員は2014年8月、ボリュー党首の方針に反発し離党した。アニー・ルサール副代表も12月、ボリュー党首と対立し辞任した。そしてフォルタン議員は2014年10月、新民主党のジャン=フランソワ・ラローズ議員とともに新党「力と民主(Forces et Démocratie)」を旗揚げした。これはケベック州のためにケベック州だけで活動する連邦政党で、ケベック連合と政策的に非常に似通っているが、ボリュー党首が独立を前面に押し出しているのに対し、新党は世論調査で不評な独立を訴えることなく、ケベックの利益に専念している。ケベック連合は人々に終わった党だと思われており、この類似する新党に支持を奪われることに相当な危機感を持っているようだ。
 ケベック価値憲章を批判してケベック連合を除名されたマリア・ムラニ議員(新民主党)は、ケベック連合のニュースに驚き、ケベック人のプライオリティは過去に生きることではないとコメントした。
 ケベック連合元議員でモントリオール大学教授のダニエル・テュルプ氏は、「パリゾー氏がまだ生きていて、デュセップ氏がケベック連合党首に復帰すると聞いたら、きっと喜んだだろう」と語った。
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