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進歩保守党の逆転は可能か [アルバータ]

 4月30日から5月3日の間に、7社による世論調査が発表された。その7社全ての結果が、新民主党による過半数政権誕生を示している。
 政党支持率は新民主党が37から44%、進歩保守党が20から30%、ワイルドローズ党が21から27%となっている。進歩保守党は7社のうち6社で24%を下回っており、5社でワイルドローズ党を下回っている。ワイルドローズ党は、アルバータ社会信用党が壊滅した1975年以降において、伝統的三大政党(進歩保守党・自由党・新民主党)以外のいかなる政党よりも多くの議席を取ることは確実で、かなり多くの世論調査がワイルドローズ党が野党第一党になることを示している。
 にもかかわらず、世論調査への懐疑的意見はいまだ存在する。それは、これがポピュリズムの強いアルバータの選挙だからだ。新民主党が保持している大きなリードへの疑いは、他の州ではありえない。
 2013年のブリティッシュコロンビア州議会選挙では、選挙戦最終週の世論調査で野党新民主党は平均して7ポイント与党をリードしていたが、逆転された。2012年のアルバータ州議会選挙でも、選挙戦最終週の世論調査で野党ワイルドローズ党は平均して8ポイント与党をリードしていたが、逆転された。

 新民主党の進歩保守党に対するリードは、平均して17ポイントもある。だが調査機関は、浮動票が有権者の15%、20万票もあると指摘する。
 しかしこの数字ですら、新民主党のリードを覆すには十分でない。浮動票を除くと、新民主党の進歩保守党に対するリードは14ポイントとなる。進歩保守党が新民主党を凌ぐには、浮動票の実に90%以上を獲得しなければならず、ほとんど不可能である。
 そこで進歩保守党は、他党に投票すると決めた有権者の票を奪う必要がある。最も容易に奪えそうなのは、中道左派の自由党だろう。自由党の支持率は5から10%で、1982年以降で最も低い数字となっている。自由党候補のいない選挙区には望みがあるが、同党支持者の多くは、自由党候補のいる選挙区ですら新民主党に投票すると表明している。そもそも自由党支持者の票田はさほど大きくないから、進歩保守党にとって大きな希望ではない。
 進歩保守党は、もっと大きな票田から奪う必要がある。進歩保守党支持者は、ワイルドローズ党へ移ることがありえる。ワイルドローズ党支持者も進歩保守党へ移ることがありえるが、同時に新民主党へ移ることもありえる。新民主党支持者は、自由党やワイルドローズ党に移ることがありえる。進歩保守党支持者ですら新民主党が次善の選択だと言っており、どう見ても、進歩保守党は入る票より出て行く票の方が多くなりそうだし、新民主党は出て行く票より入る票の方が多くなりそうだ。
 そもそも大番狂わせを起こした2012年州議会選挙は、右翼のワイルドローズ党を危険視した自由党や新民主党の支持者が中道右派の進歩保守党にスイッチしたのが原因であり、前回起きた左派票の進歩保守党へのスイッチは、今回は全く当てにできない。
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