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2014年春の朝ドラ、村岡花子の生涯「花子とアン」に [文芸]

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 脚本はドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」などを手がけた中園ミホさん(53)が担当する。原案は村岡さんの孫の村岡恵理さんがつづった「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」。
 明治時代の山梨に生まれた花子は東京の女学校で欧米文学と出合い、故郷での教師生活をへて翻訳家への道を進む。関東大震災や戦争を乗り越え、終戦後に「赤毛のアン」の翻訳を完成させるまでの苦難や恋、人々との交流が描かれる。
 吉高さんは記者会見で「花子はとてもハングリーな性格なので、自分も役に対してハングリーになりたい」と意気込んでいた。

【物語】
 太平洋戦争中。50歳になる花子は、空襲警報が鳴る中、カナダの女性作家・モンゴメリが書いた小説「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」の翻訳に打ち込んでいた。出版のあてもないまま翻訳を続けるうち、花子はいつしか、主人公の少女・アンに、自分の歩んできた人生を重ね合わせる。10歳で親元を離れたときの心細さ。生涯の友との出会いと幸福な日々。花子はそれらをあざやかに思い出すのだった…。
 山梨の貧しい家に生まれた花子は、明治36年、10歳のとき、花子にだけは高等教育を受けさせたいという父の強い希望で、東京のミッション系の女学校に編入し、寄宿舎で生活を始める。「いいか、華族の娘なんかに負けるな。」華族や富豪の娘たちが学ぶ女学校の雰囲気になじめない花子。教師たちの話す英語も全く理解できず、先輩や同級生たちの話す言葉にもカルチャーショックを受けるが、家庭をかえりみない父に代わって母や弟妹の生活を支えるため、しっかり勉強して身を立てることを心に決める。
 欧米文学との出会い。淡い初恋。そして生涯の友との友情を育んだ女学校での10年間は、花子にとってかけがえのない青春時代となった。卒業後、花子は教師として故郷・山梨に赴任。生徒たちを教えながら書いた本が出版されたのをきっかけに東京へ戻り、出版社で働き始める。時代は大正から昭和へ。許されぬ恋に苦しみ、やがて結婚した花子は、関東大震災や戦争を乗りこえ、翻訳家という夢を実現させていく。戦争中、危険をかえりみず翻訳を続けた「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」が「赤毛のアン」として結実するのは、終戦から7年後のことだった。

 なお邦題の『赤毛のアン』は、村岡花子が初邦訳を手掛けた時に付けられたもの。当初村岡は『窓辺に倚る少女』という題を考えていたが、刊行する三笠書房の編集者が『赤毛のアン』いう題を提案し、当時の社長の竹内道之助が花子にこれを伝えた。花子はこれを一旦断るが、これを聞いた花子の当時二十歳になる娘のみどりが『赤毛のアン』という題に賛同し、これを強く推した。このため花子は、みどりのような若い読者層の感覚に任せることにし、『赤毛のアン』という邦題を決定したという。


写真:ヒロインの吉高由里子(左)と脚本の中園ミホ(右)。
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