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「謝罪戦術」を謝罪したクラーク首相に辞任の声高まる [バンクーバーとBC]

 クリスティ・クラーク首相の側近が2012年1月、「少数民族に謝罪すれば総選挙に手っ取り早く勝利できる」という文書を党内に配布していたことを、新民主党が3月1日に暴露した。側近のキム・ハークスタッド氏は同日辞職し、ジョン・ヤップ多文化主義担当大臣も4日に辞任した。さらに法務大臣の主任秘書マイク・リー氏も、14日に辞任した。

 州議会選挙は、5月14日に予定されている。人気を失っているブリティッシュコロンビア自由党は、バンクーバーで高い比率を占める南アジア系と中国系住民に、歴史的な誤りについて謝罪するという、連邦自由党が2008年連邦議会選挙で用いた作戦を真似ることを考えた。ところがブリティッシュコロンビア自由党のいくつかの支部長は、安直な戦術に抗議して辞任した。サーレー=タインヘッド選挙区のジェームズ・プレット前副支部長も、その一人である。
「この党はペテン師に動かされていると、そのときはっきり思った。」
 彼は党に、公開質問状を提出した。そこにはこう書かれていた。
「政府がいかに公金を不正に使用できるかについて説明する文書をまとめるために、政府が公金を不正使用したことを示す文書を見るほど、不快なことはない」

 党員の間では、首相も辞任すべきだという声が高まっている。クラーク首相は3日、急遽閣僚会議を開催し、閣僚たちから首相を支えるという言質を得た。
 会議を終えて、シャーリ・ボンド司法長官は、辞任の話はなかったと述べた。
「我々は、首相を強く支持している。そして、お互いを支持している。」
 だがベン・スチュワート市民サービス及び開かれた政府担当大臣は、意味深長なコメントをした。
「我々は多少、内面心理を共有した。」
 クラーク首相は、謝罪の言葉を繰り返した。
「組織の誰かが間違いを犯すとき、正しい対応はその責任を負い、その過ちを正すことである。それゆえ私は謝罪する。我々はその過ちを正さねばならない。」
 辞任するつもりがあるかと尋ねられると、首相は「それには、すでに答えました。違いますか?」と答えた。
 だが同日、それ以前に開催された自由党員の会議では、首相に辞任を要求する文書に89名がサインした。
 また首相は、政府ではなく自党のための活動に使われた公金7万ドルを、自由党が払い戻すと約束した。だが新民主党はそれだけに満足せず、どれくらいの公金が使われたかについて、更なる調査を要求している。
 新民主党のジョン・ホーガン院内総務は、自由党はここ2年もの間、選挙に勝つことに集中し、行政をおろそかにしてきたと非難した。またバンクーバーの中国系市民は「政府がどのように我々を操ろうとしているかが、文書から見て取れる。謝罪は受け容れられない」とコメントした。
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