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オンタリオ州議会選で自由党三選 [オンタリオ]

 10月6日に行われたオンタリオ州議会選挙は、自由党53議席(70)、進歩保守党37議席(25)、新民主党17議席(10)(定数107、括弧内は解散時勢力)となり、自由党が1977年以来の連続三選を果たした。
 オンタリオ州議会選挙は、今年も三つ巴の激戦となった。自由党は過半数を1議席下回る辛勝で、レオナ・ドンブロースキー文部大臣、キャロル・ミッチェル農務大臣、ソフィア・アゲロニティス歳入大臣、ジョン・ウィルキンソン環境大臣の現職大臣が落選した。三回連続過半数となっていたら、1959年のレスリー・フロスト(保守党)以来の快挙となるところであった。進歩保守党は各種世論調査で自由党をリードしていたが、議席を上積みし自由党過半数を阻止したものの、及ばなかった。新民主党も議席を上積みし、自由党が過半数に達しなかったことから、議席数以上の影響力を持つことが予想される。

 オンタリオ州特にグレーター・トロント地区は、自由党の強固な牙城であった。だが2010年10月のトロント市長選で、「小さな政府」を標榜するフォード市長が誕生した。2011年5月の連邦議会選挙では、保守党がグレーター・トロント地区を席捲し、大勝した。連邦のハーパー首相は8月、フォード市長の家族とバーベキューで会食し、オンタリオ州議会選挙にも勝利して保守党の「ハットトリック」を達成したいと語ったが、マギンティ首相は保守党の連勝をストップさせた。進歩保守党は長い間世論調査でリードしてきたが、フォード市長が経費削減とレイオフを話題にするようになってから、人気に翳りが見えてきていた。
 オンタリオ州(定数106)は、かつて自由党が連邦議会選挙で100議席以上を獲得した金城湯池であった。だが過去3回の総選挙で北部は新民主党の地盤となり、中部と南部(トロントを除く)は保守党のものとなった。今回の州議会選挙では、進歩保守党は政権奪取のため、市外局番416(グレーター・トロント)地区と905(オンタリオ南部)地区で大幅な議席増を目論んだ。だが進歩保守党は両方の地区で、1議席も獲得できなかった。
 連邦保守党は5月の連邦議会選挙で、南アジア人にアプローチすることでこの905地区の議席を奪取したが、進歩保守党のティム・フーダック党首は、移民を雇用する雇用者には税額控除するという自由党の政策を批判したことで、この地区での議席獲得に失敗した。905地区は、住民の30%が移民である。
 オンタリオ北部は、連邦議会において新民主党の勢力が強いことで知られる。オンタリオ州議会の解散時勢力は新民主党3議席、自由党7議席、進歩保守党1議席だったが、今回の選挙で新民主党6議席、自由党3議席、保守党2議席に変わった。
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