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カナダドル、米ドルと等価に [経済]

 ここ数週間上昇を続けていたカナダドルは、4月6日午前6時48分(東部標準時)、対米ドル相場で2008年7月以来のパリティー(等価)に達した。対円レートでは1ドル=93.80円に達した。
 カナダドルは3月半ばにも上昇したが、このときはギリシャの債務への警戒感からパリティには達しなかった。今回は原油価格・金属価格の上昇に加え、2日発表の米雇用統計が強い内容となったことが要因である。
 カナダの財政は順調で、連邦債務の対GDP比率は2010~11年度に35.4%でピークに達すると予想されている。 いっぽう経済成長はインフレ率の上昇をもたらし、すでにカナダ銀行の目標をわずかに上回っている。広範な経済見通しから、6月にも利上げがあると見られている。カナダ銀行は、第2四半期末までは政策金利を0.25%で維持すると約束している。
 TDセキュリティーズは、今後2~4週間で徐々にカナダドルが上昇し1米ドル=0.98カナダドルになり、さらに数カ月で0.95カナダドルに到達すると予想している。スコシア・キャピタルのカミラ・サットン氏は「ファンダメンタルズに基づくゆっくりとした慎重な動きだ。あらゆる要素は、強いカナダドルが来年まで持続することを示している」という見解を述べた。
 カナダドル高は、カナダ人に様々な影響を与える。カナダに拠点を置くホッケー・チームは、アメリカ人選手により多くの報酬を米ドルで支払うことができるので、自チームからの流出を阻止しまた他チームからの引き抜きを容易にする。カナダドルはまた、米ドルに対してだけでなくユーロ・ポンドに対しても強く、カナダ人にとってヨーロッパ旅行への強い要因となろう。輸出業者にとっては、カナダドル高はかつてほど問題視されていない。それは上昇ペースが緩やかであることと、同国製品に対する世界の需要が旺盛なことが原因だ。

★カナダドル相場の歴史
1817年:モントリオール銀行がカナダ最初の紙幣を発行する。
1854年:カナダドルの価値が金に対して固定され、米ドルと等価となる。カナダ植民地の法定通貨は、カナダドル・米ドル・イギリスポンド。
1864年7月11日:1米ドル=36カナダセントの史上最高値を記録。
1867年7月1日:カナダ連邦建国。
1957年8月20日:1カナダドル=1.06米ドルの20世期最高値を記録。
1962年5月2日:1カナダドル=92.5米セントの固定相場制に移行。
1970年5月31日:インフレ率上昇のなか、対米ドル変動相場制に移行。
1976年11月25日:カナダドル上昇し、米ドルと等価となる。
2002年1月18日:1カナダドル=61.98米セントの史上最安値を記録。
2007年9月20日:カナダドル上昇し、31年ぶりに米ドルと等価となる。
2007年11月6日:1カナダドル=1.08米ドルで建国以来の最高値を記録。
2008年7月21日:カナダドルの下落が続き、米ドルと等価となる。
2010年4月6日:カナダドル上昇し、米ドルと等価となる。


【参照】カナダドル、31年ぶりに米ドルと等価に
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2007-09-22
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