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五輪開会式、ケベックでは不評 [バンクーバー五輪]

 カナダで22年ぶりに開催されたバンクーバー・オリンピック開会セレモニーでは、先住民とその後の移民の歩んだ歴史や、太平洋から大西洋までのあらゆる地方出身の芸能人・スポーツマンが紹介された。歌ったのはニッキ・ヤノフスキー、ブライアン・アダムスとネリー・ファータド、サラ・マクラフリン、k.d.ラング、ミーシャ・ブルガーゴーズマン、ガルー。オリンピック旗を運んだのはベティ・フォックス、ドナルド・サザランド、ロメオ・ダレール、バーバラ・アン・スコット、アン・マレー、ジャック・ビルヌーブ、ボビー・オア、ジュリー・パイェット。聖火を運んだのはリック・ハンセン、カトリオナ・ル=メイ=ドーン、スティーブ・ナッシュ、ナンシー・グリーン=レイン、そしてウェイン・グレツキーと、各界を代表するカナダ人が惜しげもなく投入された。
 ヤノフスキーは予想通り、国歌を英仏2か国語バージョンで歌った。旧仏領ハイチ出身ミカエル・ジャン総督の開会宣言も、英仏2か国語で行われた。バンクーバー・オリンピックにおいてカナダは、そのバイリンガリズムを世界にアピールすることに成功したように見える。

 冬季オリンピックにはケベックの選手が多いことが知られているが、ケベック州ではケベック人の登場が少なかったことに不満の声があがっている。歌手では予想されたセリーヌ・ディオンが登場せず、ガルーただ一人であり、開会式でのフランス語があまりに少なすぎるというのである。

 カナダ選手団旗手を務めたクララ・ヒューズは、オリンピックで通算4個のメダルを獲得したゲータン・ブシェが起用されなかったことは重大な誤りだと語った。ケベック連合のリシャール・ナドー下院議員は、フランス語があまりに少ない開会式に失望と衝撃を覚えたとコメントした。「ジュルナル・ド・ケベック」コラムニストのドナルド・シャレットは、「バンクーバー冬季オリンピック組織委員会(VANOC)は、カナダが二つの偉大な民族によって建国されたということを世界に示すためにより大きな努力を払うべきだった」と主張した。「ラ・プレス」コラムニストのルジャン・トランブレーは、皮肉たっぷりに「開会セレモニーはロッキー山脈、平原地帯、そして大西洋地方と、ケベックを除くカナダ全域を的確に描写した」と論じた。
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