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走り出した自由党党首選 [自由党]

 自由党党首選に、ドミニク・ルブラン議員が10月27日、先頭を切って出馬を表明した。出馬を噂されたフランク・マッケナ議員は同日、不出馬を宣言した。ボブ・レイ議員は31日、正式に出馬を表明した。
 当人の宣言にかかわらず、党首選は事実上始まっており、有力候補は水面下ですでに運動を始めている。以下に出馬を噂される有力候補について、簡単に紹介する。

●マイケル・イグナティエフ(61)
著名な国際ジャーナリストにして作家・大学教授。ケベック民族主義を支援しケベックに強固な支持を持つが、ディオン党首に「トラブルメーカー」と呼ばれた。2003年イラクへの軍事介入に賛成を表明し、2006年には保守党政権によるアフガニスタン派兵延長にも賛成し、投票の後でハーパー首相がイグナティエフに駆け寄って握手したこともある。2006年、イスラエルのレバノン攻撃を戦争犯罪だと糾弾し、ユダヤ・コミュニティの支持を失うなど、爆弾発言が多い。
彼は人生の大部分をカナダの外で費やし、当選2回で議員歴はわずか2年である。

●ボブ・レイ(60)
新民主党党首としてオンタリオ州首相を務め、連邦においても地方においても豊富な経験を持つ。左派票が自由党と新民主党に分散することが保守党有利に働いている現状において、レイが党首なら新民主党票を集めることが期待できる。
オンタリオ州首相時代、90年代初頭の不況に直面し、失業率を上昇させ財政赤字を3倍に拡大した前歴は、大きなハンデとなっている。公務員に課した年間10日の無給休暇は、給料日「ペイ・デイ」をもじって「レイ・デイ」と呼ばれた。

●ジョン・マンレー(58)
クレチエンの忠実な部下であり、クレチエン内閣で消費者及び企業大臣、産業大臣、科学技術大臣、西部経済多様化大臣、大西洋機会機構担当大臣、インフラ大臣、財務大臣・副首相を歴任した党の重鎮。党内では右派に属し、経済的には保守派であり、不況が予測されるなかで党内の支持を集める可能性がある。また彼は君主制廃止を主張する共和主義者でもある。
2003年党首選でマーチンに大敗するが、党首選を戦った者は全員マーチン内閣で干された。マンレーはマーチン首相から駐アメリカ大使の地位を提示されたが、国外に追放し政治の中枢から遠ざける試みと見抜きこれを拒否した。
保守党政権に任命された超党派審議会の座長として、カナダ軍のアフガニスタン派兵延長を答申したことで党内で批判されている。2004年、総選挙に出馬せず政界を引退していた。

●マルタン・コーション(46)
歳入大臣、法務大臣を歴任し、法相時代は同性結婚実現に尽力した。「マリファナを吸ったことはあるか」ときかれ「もちろん」と答えたことは今も語り草に。
クレチエン元首相の忠実な部下であり、2003年党首選では、クレチエンを引きずり下ろしたマーチンに対抗してマンレーを支持したため、マーチン内閣に入閣できず2004年に引退し、4年間政界から離れていた。

●ドミニク・ルブラン(40)
ロメオ・ルブラン総督の子で、自由党のニューエイジを代表するホープ。本命視されているイグナティエフとレイはともに高齢で、また両者による確執を恐れる人々から支持を集める可能性もある。

●ジェラルド・ケネディ(48)
オンタリオ州文部大臣を務めるなど長い政治歴にもかかわらず、連邦政治においては当選1回の新人議員である。
党内では左派に属し、2006年党首選ではディオンと3・4位連合を組み、党内基盤の弱いディオンを当選させたことで一部で非難されている。自由党は右派と左派が交互に党首に就く伝統があり、党内の大勢が右派志向なら、ケネディにとっては不利となる。
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