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選挙戦終盤、野党の支持者争奪戦に [2008年下院選]

 カナディアン・プレスの世論調査によると、株価の下落がクライマックスを迎えた今週、保守党の支持率も下落を始め一時は31%にまで低下したが、現在は下落に歯止めがかかり32%となった。対照的に自由党は支持率が急上昇して27%にまで迫り、以下新民主党19%、緑の党12%、ケベック連合8%となっている。
 ケベック州ではケベック連合が圧倒的な支持を集めているため、大量議席獲得が絶望となった保守党は、オンタリオに総力を注いでいる。その注目のオンタリオでは、自由党の支持率が32%と、保守党の28%を凌いでいる。
 男性の支持率では、保守党が42%から35%へ低下するいっぽう、自由党が19%から26%へ上昇し、7%の有権者がそっくり保守党から自由党へ移動したと考えられる。自由党はさらに、保守党と新民主党から女性有権者の支持も奪っている。

 連邦議会に議席を持つ5党のうち、野党4党は左派政党である。過去の総選挙では、選挙戦終盤になると新民主党の支持者が自由党支持に回るという現象が見られた。今回総選挙も残りあと5日となり、政策的に類似する野党4党は、互いへの批判を強めている。
 自由党のディオン党首が「グリーン・シフト」を掲げているせいか、緑の党は目標の12人当選を実現するため、ハーパー政権打倒を企図した自由党への「戦略的投票」を行わないよう指示している。にもかかわらず9日、ケベックで当選が絶望視されている候補2人が棄権し、自由党への投票を呼びかける事件が起こっているが、これは本部に背いた支部の造反なのか、それともそうと見せかけた公認の自由党支持行為なのかは不明である。
 自由党のディオン党首は、ハリファックスでの演説で新民主党を強く批判した。彼は、
「国民は、ジャック・レイトン氏が首相になれないことを知っている。レイトン党首は国民の雇用を守ると言っているが、新民主党へ投票することは、1つの仕事を守るだけである。それはスティーブン・ハーパーの仕事である。」
と語った。そして緑の党支持者を意識してか
「カナダには、私より緑の首相は現われないだろう」
とも語った。
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