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保守党過半数は微妙な状況に [2008年下院選]

 テレビ党首討論を終え、ハーパー首相は視聴者に好評だったにもかかわらず、保守党の支持率はわずかに減少し、35%となった。世論調査機関のブルース・アンダーソン氏は、過半数には少なくとも35%以上が必要だと指摘しており、保守党が目指す過半数獲得は微妙な状況となってきた。
 保守党の支持率は、最も必要とされているケベックとオンタリオの2州で伸び悩んでいる。ケベックでの保守党支持率は27%と、ケベック連合の40%に大きく引き離されており、選挙期間中一環して自由党をリードしてきたオンタリオでの支持率は、今や31%で並ばれている。
 アンダーソン氏は「テレビ討論は、両州に関しては効果がなかった」と指摘した。ハーパー首相はケベックでは、少年犯罪と芸術助成削減についてケベック連合から執拗な攻撃を受け、不況が最も心配されるオンタリオでも、ハーパー首相は株式市場が800ポイントも下落した日に、何ら新しい対策を打ち出そうとはしなかった。
 いっぽう自由党の支持率低下も歯止めがかからず、22%にまで下落した。新民主党は上昇を続けついに20%の大台に達し、自由党に並ぶ勢いである。女性における自由党支持率が3%低下するとともに、新民主党支持率は3%上昇しており、自由党の支持率低下と新民主党の上昇は、女性票によるものと考えられる。




 9月22日に確定した各党の立候補者数は以下の通り。( )は現有議席数。
保守党:307(127)
自由党:307(95)
ケベック連合:75(48)
新民主党:308(30)
緑の党:303(1)
無所属:71(3)
クリスチャン・ヘリテージ党:59(0)
〔マルクス=レーニン主義〕共産党:59(0)
リバタリアン党:26(0)
カナダ共産党:24(0)
カナダ行動党:20(0)
進歩カナダ党:10(0)
マリファナ党:8(0)
ネオ・サイ党:7(0)
カナダ先住民党:6(0)
動物同盟・環境有権者党:4(0)
ニューファンドランド&ラブラドル第一党:3(0)
人民の政治権力:2(0)
西部ブロック:1(0)
労働短縮党:1(0)

 保守党は、ケベック州ポンヌフ=ジャック・カルチェ選挙区以外の全ての選挙区に候補を立てている。そこは有名なラジオ・パーソナリティのアンドレ・アルチュール(無所属)の選挙区である。
 自由党は緑の党との協定で、メイ党首のノバスコシア州セントラル・ノバ選挙区以外の全ての選挙区に候補を立てている。ただし、マニトバ州キルドナン=セントポール選挙区のレズリー・ヒューズ候補は後に公認を取り消され、事実上は無所属だが登録上は自由党候補のままである。
 新民主党は308の全ての選挙区に候補を立てている。ただし、ブリティッシュコロンビア州サーニッチ=ガルフ諸島選挙区のジュリアン・ウェスト候補は、サマーキャンプで児童の前で裸になった事件のため出馬を辞退している。またオンタリオ州ダラム選挙区のアンドリュー・マッキーバー候補は、SNS掲示板での脅迫的投稿のため出馬を辞退している。両名とも登録上は新民主党候補のままである。
 前回全ての選挙区に候補を立てた緑の党は、今回自由党との協定で、ディオン党首のサン・ローラン=カルチェビル選挙区を除くほとんどの、303選挙区に候補を立てている。
 ケベック連合は結党以来、ケベックの75選挙区全てに候補を立てている。ケベック州以外では候補者はいない。
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