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緑の党初の国会議員誕生 [緑の党]

2083438 8月30日、緑の党のエリザベス・メイ党首はオタワで記者会見を行い、ブレア・ウィルソン議員が同党初の下院議員となったことを発表した。
 メイ党首はマスコミの注視する中、ウィルソン議員のスーツに緑の党の党章をつけて誇らしげに語った。
「今日は歴史的な日です。ここにいるのは緑の党の党章をつけた最初の下院議員です。そして、これは最後ではありません」。

 ウィルソンは、ブリテュッシュコロンビア州のウェストバンクーバー-サンシャイン・コースト-シー・トゥ・スカイカントリー選挙区で自由党候補として当選した。ところがプロビンス紙は2007年10月、2006年総選挙におけるウィルソン議員の当選は不正な資金によるものだという、彼の義父ビル・ローヒード氏の告発を掲載した。これによるとウィルソンは、自らが経営するマホーニー&ウィルソンズ・ステーキハウスについて、銀行から210万ドルを借り入れて経営を赤字に見せかけ、開業したレストランの数を偽り、給与支払いを拒否して裁判所に何度か出頭を命じられ、取引先への支払いを怠り2度告訴され、未払いのGST支払いを裁判所に命じられたという。ウィルソンは自由党を離党し、無所属議員となった。今年7月には選挙管理委員会の調査により不正はなかったと認められ、自由党に復党を願い出たが拒否されていた。

 メイ党首は、緑の党に議会での発言権を与えることになるので、彼の移籍を歓迎すると語った。緑の党は2006年総選挙で4.5%の得票率をあげ、公的な政党助成金受給の資格を満たしている。メイ党首は取材陣に強く訴えた。
「我々は定められた全ての基準を満たしました。緑の党はいまや下院議員を得たのです。次回総選挙において、我が党をテレビ党首討論から締め出すことは不可能です」。
「ケベック連合はケベックにしか候補者を立てていないのに、デュセップ党首が党首討論に出演できて、どうして私はダメなのでしょうか?」
とフランス語で語り、続けて
「我が党は、もはや泡沫政党ではありません。我が党の政策は、いまや国家の主流なのです」
と語った。

 解散・総選挙への圧力が日増しに強くなる中、新民主党のレイトン党首はこの日ハーパー首相と会談したが、その席で秋に再開される連邦議会において、環境・ヘルスケア・食品の安全・経済の4つの優先問題について同意を求めたと語った。
 今回の移籍は、政党助成金受給資格を持った緑の党と、選挙を目前にして行く当てのなくなったウィルソン議員の妥協の産物と冷ややかに見る向きが多い。ウェストバンクーバー-サンシャイン・コースト-シー・トゥ・スカイカントリー選挙区は自由党と保守党が毎回激戦を繰り広げており、緑の党初の下院議員も短命に終わるものと見られている。


写真:記者会見に臨むブレア・ウィルソン議員(手前)とエリザベス・メイ党首(奥)。
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ハーバーセンターくん

 緑の党は9月3日、10月に実施されると見られている総選挙において、メイ党首がテレビ討論に招待されない場合は法的処置を取ることを発表した。

 ジム・ハリス前党首は、記者会見で以下のように述べた。
「民主主義のために、メイ党首は含まれなければならない。有権者は、緑の党がどこに立候補しているかを知る権利がある」。
 そして党の要求が拒否された場合、カナダの放送監査機関「カナダラジオ・テレビ&テレコミュニケーション委員会」に提訴し、それが不首尾に終わった場合は、最後の手段として告訴を検討すると語った。
 緑の党のメイ党首と自由党のディオン党首は、互いに相手の選挙区に候補を立てない協定を結んでおり、それゆえ保守党は緑の党をテレビ討論から除外しようと画策している。
 首相広報はこうコメントした。
「選挙協力協定を結んだ1つのグループから2人の党首を出演させることは認められない。討論に参加できるのは、ディオン党首かメイ党首のいずれか一方だ」。
 2006年総選挙に先がけた2005年12月のテレビ討論では、ハリス党首は下院に議席がないという理由で招待されなかった。このときCBCは、下院議席は「議論の余地のない基準だ」とコメントしている。また支持率と308の全選挙区に候補者を立てる能力があるかどうかも、党を招待する基準だとも語っている。
 メイ党首は、ブレア・ウィルソン議員が入党したため、党はテレビ討論に参加する「法的権利」があるとCBCに訴えた。そして「ウィルソン議員は自由党候補として当選したのではないか」という質問には、1993年総選挙では新党ケベック連合が、その党の候補者として当選した議員がいないにもかかわらず招待されたという事実と、現在の党首ジル・デュセップ氏も当選したときは無所属だったという事実を指摘した。
「世論調査は、77%の国民が私も討論に参加すべきだということを示しています」。
 グローブ&メイル紙とCTVが9月1日に発表した世論調査において、緑の党の政党支持率はケベック連合の8%に対し9%を記録した。
by ハーバーセンターくん (2008-09-04 21:36) 

ハーバーセンターくん

 テレビ討論を主催するCBC、ラジオ・カナダ、CTV、グローバル・テレビジョン、TVAの5大ネットワークは9月10日、初めて緑の党のメイ党首を招待した。メイ党首はインタビューに答えて言った。
「この数日は、民主主義は密室では起こらないことを証明するものです。今日は私一人が勝利したのではありません。これはみんなの勝利です」。
 保守党のハーパー党首と新民主党のレイトン党首が9月9日、メイ党首が参加するならテレビ討論をボイコットすると表明したため、メイ党首はこの脅迫について公開の場での謝罪を要求するとともに、マスコミやインターネットを通じて抗議運動を展開していた。

 もしも緑の党がテレビ討論に参加し、マスメディアで自党の政策をアピールする機会を得たら、緑の党の支持率は確実に上昇し、そしてその場合最も支持を減らすのは、政策的に近い左翼の新民主党であると思われる。それがレイトン党首がここまで強行な態度に出た理由だろう。
 だがレイトン党首のこの発言によって、新民主党はインターネット上で多数の抗議に晒されることになった。レイトン党首が「私にとって重要なただ一つのことは、テレビ討論に首相が参加しているかどうかだけだ」と発言して態度を軟化させると、ハーパー首相も「新民主党が方針転換したのなら、私一人だけ反対するつもりはない」と語り、これらの発言を受けて5大ネットワークもメイ党首の参加を認めることを決定したのである。
 ケベック連合のデュセップ党首は、ボイコットの言葉は使わなかったものの、主要4党による討論を望むと語っていた。彼は保守党と新民主党の方針転換について「彼らは圧力を感じたのだろう」とコメントした。

 だがカナダの緑の党は、ヨーロッパほど極左ではない。彼らはしばしば、富裕税について取り上げる。彼らはまた財政赤字削減や、中小企業家が嫌う源泉徴収削減を主張し、企業助成金に反対する。そして多くの保守政党のように、彼らは女性が家にいることを促す税制改革を主張する。
 メイ党首は、かつて進歩保守党のブライアン・マルローニ政権で側近として働いた経験を持ち、2年前にはマルローニを、カナダの「最も緑」の首相として誉め称えた。
by ハーバーセンターくん (2008-09-11 22:49) 

Tad

バンクーバーの旅をしている、通りすがりのものです。
本日9月21日、バンクーバーのセントラル駅を訪れた際、
緑の党のエリザベス・メイ党首がトロントに向けての出発式を
しておりました。偶然の遭遇です。
緑の党のホームページを見て、後から知りました。
参考までに、私のブログにアップしてあります。

by Tad (2008-09-22 18:29) 

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