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カナダ、1時間に3個のメダル獲得 [北京五輪]

●カナダ初のメダルはボートのカルダー&フランドセン組
 2027597これまでメダルを獲得できなかったカナダは、8月16日の1時間の間に金・銀・銅の3つのメダルを獲得した。
 16日に行われたボート男子かじなしペアで、カナダのデビッド・カルダー&スコット・フランドセン組が2位となり、カナダ最初のメダルを獲得した。
 カルダーは2004年のアテネ・オリンピックにも出場しているが、コースをはずれ失格となった。フランドセンは男子エイトで出場しているが、5位に敗れている。この日の銀メダルは、二人にとってアテネの雪辱を晴らす機会となった。


●レスリング女子フリースタイル48kg級でハインがカナダ初の金メダル
 同じく16日に行われたレスリング女子フリースタイル48kg級では、カナダのキャロル・ハインがカナダ初の金メダルを獲得した。
 決勝での相手は日本の伊調千春。伊調は3度世界チャンピオンに輝き、2004年のアテネ・オリンピックでは銀メダルを獲得している。いっぽうハインは、世界選手権で3度メダルを獲得(2000年・2001年銅、2005年銀)したのみで、2007年世界選手権では5位に終わっている。
 2029062ハインは序盤から積極的に攻め、伊調につけ込む隙を与えず、第1ピリオドは1ポイントを取った後、タックルを浴びせて背中から場外に落とし決定的な3ポイントを取って4-0で勝利した。第2ピリオドでもハインは伊調のバックを取り、アンクルホールドでローリングして2ポイントを取り2−1と、第3ピリオドに進むことなく完勝した。
 ハインの勝利は、多くの人々に番狂わせと受け留められた。コーチたちはハインを肩車に乗せ、カナダの国旗を掲げながら勝利のパレードを行った。カナダの国歌が演奏されると、彼女は表彰台で泣いた。
「私は、自分がカナダ人であることをどれほど誇りに思っているか、そして私がここに辿り着くまでの道のりについて考えていました」。
 ハインはブリティッシュコロンビア州ヘイズルトンの生まれだが、彼女の母はベトナムで生まれている。父は中国で生まれ、3歳のときベトナムに移った。二人は1970年代にカナダに逃亡し、ウェイトレス、埠頭作業員、製材場などあらゆる仕事に従事したという。
 伊調千春はアテネに続き2大会連続の銀メダルで、妹の伊調馨との姉妹金メダルの悲願はまたも幻に終わった。


●女子フリースタイル55kg級でトーニャ・バービークが銅メダル
 2029061レスリング女子フリースタイル55kg級でトーニャ・バービークが銅メダルを獲得したのは、それから20分も経たないうちのことだった。
 バービークは1回戦でモンゴルのオトゴンジャーガル・ナイダンを7-0で破り、2回戦でモルドヴァのルドミラ・クリステアを6-1で破った。だが準決勝で日本の吉田沙保里に8-0で完敗し、3位決定戦に回ってスウェーデンのイダ=テレース・ネレルに2-0で勝ち、銅メダルを獲得した。
 バービークは2004年アテネオリンピックでは銀メダルを獲得しているが、試合を終えた彼女は笑みを浮かべながら「試合に負けて銀メダルを獲るより、試合に勝って銅メダルを獲る方が気分がいいわ」と語った。
 バービークは女子フリースタイルレスリングで最初にメダルを獲ったカナダ人だが、今回のオリンピックを最後に引退することを示唆した。


写真上:デビッド・カルダー(右)とスコット・フランドセン(左)。
写真中:キャロル・ハイン。
写真下:銅メダルを掲げるトーニャ・バービーク。
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ハーバーセンターくん

 大多数の日本人にはあまり関心はないが、大多数のカナダ人には興味津々の女子板飛び込み予選が、8月15日に行われた。
 大方の予想通り、1位は中国の郭晶晶(グォ・チンチン)、2位はロシアのユリア・パハリナ、3位はカナダのデ…じゃなかった、ブライズ・ハートリーという、順当な結果に終わった。カナダのジェニファー・アベルも10位で予選通過している。決勝は8月17日21時半ころの予定。
by ハーバーセンターくん (2008-08-16 23:22) 

ハーバーセンターくん

●野球:カナダ、アメリカに敗れ3敗目

 メジャーリーグのトロント・ブルージェイズを擁し、傘下のマイナーチームも複数あるカナダだが、オリンピックではいまだメダルを獲得していない。1984年ロサンゼルス大会と1988年ソウル大会はいずれも予選リーグで敗退し、1992年バルセロナ大会からキューバが出場してくると、アメリカ予選を勝ち抜くことも困難となった。
 2000年のシドニー大会では、マイナーリーグの精鋭を集めて予選リーグでアメリカ・キューバを連破した。ところが代表決定戦となる準決勝で、キューバに2対3と惜敗しオリンピック出場を逃した。これ以後「打倒キューバ」がカナダ野球関係者の合言葉となった。
 2004年アテネ大会では、予選を3位で通過したものの準々決勝で宿敵キューバに敗れ、3位決定戦では日本に11対2と大敗し惜しくもメダルを逃した。

 今回北京オリンピックでもメジャー選手は一人もなく、マイナー選手だけでチームを編成した。ピート・オールとスコット・リッチモンドは、それぞれワシントン・ナショナルズとトロント・ブルージェイズに昇格したため代表メンバーからはずされた。
 カナダは、8月13日の初戦で中国を10対0の大差で下したが、14日のキューバ戦を6対7で落とし、続く15日の韓国戦も0対1で落とした。そして16日、山場となるアメリカ戦を迎えた。
 左打者主体のカナダ打線に、アメリカは左腕のブレット・アンダーソンを先発に送ったが、カナダは順調に得点を加え4回まで4対0とリードした。だがアメリカは4回裏ブライアン・バーデンのホームランで2点を帰し、7回には逆転した。
 カナダは5回以降ランナーを3人しか出せず、アメリカのリリーフ投手ブライアン・ダンシングの前に、3回3分の1イニングでわずか1安打と抑え込まれ、5対4で敗れた。

 カナダはこれで3度目の1点差負けとなり、1勝3敗で予選リーグ最下位となった。全勝のキューバ・韓国の予選通過は確実であり、残る2枠を日本・アメリカと争うことになる。次の相手は、メダルが有力視される日本である。
 テリー・パール監督は「我々にはもう選択の余地はない。先を見ず、目の前の試合1つ1つを勝ってゆくだけだ」と語った。
by ハーバーセンターくん (2008-08-17 11:24) 

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