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ケベック党のボワクレール党首が辞任 [ケベック]

 5月8日、ケベック党のアンドレ・ボワクレール党首が辞任した。先の州議会選挙敗北を受け、党首としての能力に批判が高まっていた。彼はケベック党党首として唯一首相になれなかった人となる。
 「私はこの敗北の責任の一端を甘んじて取る。しかし、私のリーダーシップを疑問視する声が余りにも高く、党が行わなければならない党首探しに参加することはできない。私は党首としてこの件を考える事に貢献したかった。しかしそれももはや不可能だ。誰か他の人が努めるだろう。」
 後継党首は5月26日の選挙で決定され、それまでフランソワ・ジャンドロンが暫定党首を務める。
 次期党首として有力視されていたケベック連合のジル・デュセップ党首は、ボワクレール党首辞任の報を受け、次のようにコメントした。
 「今日はアンドレ・ボワクレールの日だ。その件については話したくない。今はその時でない。」
 だが5月4日のSRCテレビのインタビューで、ボワクレール党首が「デュセップ氏の側近が、彼がケベック党党首になれるように私を引きずり降ろす工作をしている」と語ったことで、デュセップは強い批判を受けた。
 5月11日、デュセップは党首選立候補を表明する。だがラ・プレス紙の世論調査でデュセップ支持が21%しかなく、ポリーヌ・マロワ氏の支持が45%もあることを知り、翌日マロワ氏支持を表明して立候補を撤回した。
 現在8名が立候補しているが、副首相・財務大臣・文部大臣などを歴任したマロワ氏の優位は動かないものと見られている。

 
 
写真:ポリーヌ・マロワ。


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高橋 幸二

 シャルルボワ選挙区のロゼール・ベルトラン議員(ケベック党)が政界引退のため辞職し、補欠選挙が9月24日に行われる。ケベック党のポーリン・マロワ新党首には議席がないため、彼女自身が立候補しているが、民主行動党はマロワ党首を議会に入れないよう激しい選挙運動を行っている。
 カナダでは伝統的に、党首が立候補する補欠選挙では対立党は選挙運動を行わなかった。党首がいないと党首討論できないからである。民主行動党は長年議席1ケタの泡沫政党だったが、今年の総選挙で野党第一党に躍進している。公認反対党になるのも初めてだが、上げ潮の同党は勢いに乗じこの補欠選挙でも議席を獲得しようと目論んでいるのだ。自由党はマロワ党首を当選させるため対立候補を出さないことを決めたが、これに不満を抱く自由党支持者の声を民主行動党は頼りにしているようである。

 日本では首相は国会議員でなければならないと決められているが、カナダでは第一党の党首が首相に指名されるので、議員でない者が首相に指名されたことがある。議場に入れないと支障を来たすため、鉄板選挙区の議員が辞職して補欠選挙を行い、党首に議席を譲るのが慣例になっているが、我々日本人には議席を私物化しているようにも見える。カナダ史上最長の21年にも及ぶ政権を築いたマッケンジー・キング首相は、選挙で2度落選し、補選で議席を得ている。ターナーとマルローニは、首相就任時に議席を持たず、前者は解散・総選挙で、後者は補選で議席を獲得した。なおマルローニは当選0回で首相になった、極めて稀なケースである。ターナーは総選挙で議席を得たものの党が選挙に敗れ、首相の地位を失っている。社会信用党の党首グレース・マッカーシーは1994年の補欠選挙で落選し、指導力を失った。
by 高橋 幸二 (2007-12-02 16:16) 

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