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カナダ国籍のウィグル人活動家セリル氏に終身刑 [中国]


 オンタリオ州バーリントン在住で、カナダ国籍のウィグル人活動家フセイン・セリル(玉山江)氏(37)が、4月19日ウルムチ地方裁判所で終身刑を宣告された。

 セリル氏は新疆ウィグル自治区出身のウィグル人イスラム教徒で、政党を結成し、長年人権の尊重を訴えていたが、「中国からの分離独立を目指すテロ組織、東トルキスタン・イスラム運動(東伊運)の構成員としてテロ活動に関与した容疑」で逮捕され、拷問を受けた。1994年中国から脱出し、2001年難民としてカナダに受け入れられ、後にカナダ国籍を取得した。
 2006年3月、カナダのパスポートを使ってウズベキスタンへ行った時に逮捕される。カナダ政府はウズベキスタン政府にセリル氏をカナダに帰国させるよう要求、またカナダ大使館職員も勾留されたセリル氏と面会したが、セリル氏はその後消息不明になり、後にウズベキスタン政府が同氏を中国に強制送還したことが判明した。中国国内で彼は、テロ活動や殺人容疑などにより欠席裁判で既に死刑判決が決定しており、処刑される危機に瀕していた。
 中国政府は、セリル氏が2000年のテロ活動に参加したと発表した。しかしアムネスティ・インターナショナルは「この主張は立証されていない。セリル氏は当時トルコにいた」と語っていた。
 ウズベキスタン政府は、中国政府はセリル氏を処刑しないという規約に署名していると弁明したが、中国問題の専門家クライブ・アンスレー弁護士は「中国政府がその規約を守るはずがない。彼らは自分が署名した条約にいつも違反している」と語った。さらに「死刑だけが人を殺す唯一の方法ではない。中国の刑務所では謎の死を遂げる人は大勢いる」と指摘、カナダ政府がカナダ市民のためできるだけのことをするようにと要請した。

 セリル氏は今年2月、ウルムチで初めて裁判に臨んだ。カナダ領事館は裁判の傍聴を要求したが、中国当局はセリル氏が取得したカナダ国籍を認めず、中加領事協定はこの件には適応されないとして、カナダ領事館に裁判の通達をしなかった。ハーパー首相は、中国当局の対応とともに、カナダの外交官が裁判を傍聴できなかったことに不満の意を表した。

写真:フセイン・セリル氏


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